2018年9月29日土曜日

CD制作日記 その4

ホールでの人生初の録音に臨む事になった私。

普段はお客様を背に本番をしているので、客席を前にするのも慣れていません(笑)

笹井さんがセッティングして下さったエコーホールはシューボックス型の中ホール。ギターの響きが一番活きるサイズです。

普段はお客様が座る場所のあちこちに様々な高さでマイクが立てられ、舞台の上も演奏者を取り囲む様にマイクがセッティングされます。

そこにギターを知り尽くした笹井さん、最大の気遣いがドンと置かれています。

さて、それは何だかわかりますか?

そう、椅子なんです。

クラシックギタリストはその演奏人生(大袈裟ではなく)の殆どを椅子の上で過ごします。

ですから腰痛は友達みたいなもので、それに苦労しないプレイヤーはいないくらいです。

ですから、椅子!

私も普段は自宅でもレッスン場所でも専用のドイツ製のものを使っています。100キロの体重のプレイヤーが身体を使って演奏しても軋まない、音がしないもので無段階に高さを調整出来ます。値段は高くとも必需品!

私の使用しているものとは違いますが、笹井さんはそうした椅子をわざわざ京都から沢山の機材と共に持って来てくださいました。
しかもクッションまで…



後に経験したことのない怪我(?)を負うことになるのですが!これが無かったらそもそもレコーディングは出来なかった程のことです。

その舞台上に楽譜、KORGのプロフェッショナル用チューナー、電子メトロノーム、爪のメンテナンス道具一式、クロス、ミネラルウォーターそして今回の伴侶72年製のロマニロス嬢をセットして音出し、サウンドチェックです。

先ずはホールの気温に楽器を慣らすのと、自分の指の調子を整える為にゆっくりとチューニングし、ルーティンの基礎練習をします。
今回は基準音楽を442Hzにして、各ポジションを出来る限り頻繁に、正確に合わせます。
ギター弾きの皆さんはご存知の通り、ギター、ギター弦は気難しく演奏中にもどんどんがチューニングが狂うので、後の編集作業の為にこれは欠かせません。

そして、サウンドチェック用に禁じられた遊びから演奏。

ホールに響くその録音を聴いた感想は…

次回に続く

[筆者:小林徹]