2018年10月24日水曜日

CD制作日記 その7(ちょっと横道?)

最後のD Codeがホールの隅々まで届いたのを感じ、笹井さんの『ハイ!大丈夫ですお疲れ様でした!』の声でめでたくレコーディングが終わりとなりました。

『ふう…』← 安堵(笑)

二日間、このホールで過ごした時間は19時間,録音した曲は19曲。あれ?同じ19。

こんな下手くそなドライバーを耐久レースのゴールまで導いてくださった名エンジニアの笹井さんと記念撮影をして再開を約束して、バラしをする笹井さんをホールに残し、一人彦根駅にタクシーで向かいます。




地方ホールのあるあるですが、タクシーを呼ん
でも中々来ない…大ホールで催しがある時には広い駐車場もいっぱいになり、人で溢れるのでしょうが今日は文字通り、広いエントランスに一人ぼっち。五月と言っても夜は寒いです。

『当たり前だけど、観光はしてないし近江ちゃんぽん以外はご当地グルメもしてないなぁ…』
などと物思いに耽っていたら、やっと遠くから車のヘッドライトの灯りが近づいて来ました。

そんな私の気持ちが伝わったのか、行きと同じで運転手さん同様、親切な事!城下町を堪能出来るようにゆっくりと説明しながら車を進めてくれ、ライトアップされた彦根城のお堀端をワザとゆっくり走って写真を撮らせてくれました。



おススメされた近江牛は次回のお楽しみとして、僅か15分くらいでしたがそれなりの観光を出来たのはホントにラッキーでした。

そこから京都に入り、高校生の時の教え子さんに案内してもらって、予約して貰ったおばんざいの朝ごはんはレコーディングの疲れを取るのに十分な美味しさ。地元の人だからこそ連れて行ってくれる素晴らしいお店でした…この仕事を長くしていると全国に生徒さんがいて、再開を楽しみに出来るのは本当に幸せな事。この出会いにも感謝でした。Yさん、ありがとうございます!



その後、せっかく京都に寄ったのだからと足を伸ばした伏見稲荷では有名な鳥居で写真を撮り、引いた御神籤はなんだか意味深。
どうやらこれから、まだまだ努力が必要です、曲がり角の先には素敵なことが待っていてくれそうです…





さて、笹井さん、ジャケット編集の皆さんへ一旦バトンタッチです

[筆者:小林徹]

2018年10月23日火曜日

CD制作日記 その6

さて、二日目はホテルで朝食を摂り早々に笹井さんとホールに向かいますセッティングは決まっているので指慣らしをしたら早速レコーディング開始。
夜9時の最終時間までホールは確保してあるのですが、機材のバラし撤収もあるので時間の余裕をみておきます。
そもそも、私の体力も精神力も余裕は無いですからか何とかゴールまで辿り着ける様に頑張るわけで…車の耐久レースで言うところの無給油でタイムを稼ぐ作戦!ガス欠になったらそこでお終い(汗)

エンジニアのアドバイスを信じて最善を尽くすとこなんてホント、レースドライバーですね。

何曲か録っては身体のバランスの為にうろうろと少し歩いては水分、糖分補給。

最後までこの連続です。



そんな中、午前中の終わりくらいに何だか左、しばらくして右のお尻辺りに違和感が…

流石にずっと集中して座って演奏しているので椅子とお尻の接地面が耐えられなくなって来た様です。

私をご存知の方はお判りでしょうが、中肉中背、平均的日本人体型なので幸か不幸かお尻にたっぷりとお肉はありません(笑)

笹井さんが用意してくださった椅子は素晴らしいのですが(事実、腰は全く問題無し!)クッションがあっても十分では無かった様です。

この痛みはレコーディングが進むに連れて増すばかり…まぁ、耐えられないほどでは無いので我慢していたら、だんだんその感覚も無くなっていきました。

結果

人生で初めて『床擦れ』(小規模な壊死ですね)にあたる怪我となり、お見せ出来ない5センチほどの大きなカサブタ、後に剥がれて…しばらく大きな絆創膏さんがお友達となってしまいました。

これからはクッションも真剣に考えます!

レコーディング最後の曲はタイトルにもなる
佐藤弘和さん編曲の『アメイジング グレイス』

こちらについては特別な想いがあるのでまた書きます…

ホールに響く最後のDmajorのコードに耳を澄ませてレコーディング終了となりました。

爪は途中から、特にmの状態が悪くなり、結果として録れない曲も出てしまいましたが左手は頑張ってくれて何とか持ちました。



続く


因みに11月10日の土曜日にCD発売記念のコンサートやります
ギターのメッカ 現代ギター社G Gサロンです。
こちらのサイトからチケット予約も出来ますので是非ご来場ください!
当日はレコーディングで使用したロマニロス含め、3本の銘器で演奏予定です^_^
https://www.gendaiguitar.com/concert/20181110_875


[筆者:小林徹]

2018年10月9日火曜日

CD制作日記 その5

さて、最初の作業である録音チェック。

人にもよるのでしょうが、不慣れな私としてはなるべく心配のない曲から録っていく事にして指慣らしも兼ねて『愛のロマンス』から…
各曲に纏わるエピソードは別枠でまた書きたいと思いますが、この曲はクラシックギターの独奏を世界的に広めた貢献度で言えばナンバーワンでしょう。

何人の演奏者を何回聴いたかわからない、もちろん自分自身の演奏も含めてですが、その曲をプロフェッショナルが録音したもので聴くのはほぼ初体験。

感想は『あれ?CDみたい??(笑)』

今まで、散々とCDの録音状態に悪態をついていた身←ゴメンなさい!としては複雑な気分。

やっぱり、プロフェッショナルのセッティングって凄いのです。各音域とか、ホールの響きのバランスとか遠近感とか、様々な要素を盛り込んでいるのですね。ですから良い意味で『自然』ホントに安心しました。
ちょっとだけですが『何だかんだ行けそうな気がする(笑)』

と、言っても笹井さんの耳はそんなものではないので今回のロマニロスの特性も加味してセッティングの微調整を行ないます。

これを何度か繰り返して最終のセッティングを決めました。この後は昼食休みの1時まで出来る限り沢山の曲を録り、休憩となりました。

さて、ここまで来て名物を食べない手は無いのでお昼は私のリクエストで近江ちゃんぽん!
見た目はタンメンだと思うのですが、少し甘めのツユでクセになる旨さ!
一気にリフレッシュ出来ました^_^
美味しいものは最強ですね(笑)



午後は体力のある内に魔笛など大き目の曲から録って、スケージュールに余裕を持てるようにします。
今回は⑥をドロップDにする曲達が鍵を握っているのでこれはチューニングの安定度を考慮して纏めて録ることにしました。
途中、こまめに短い休憩を取りながら初日は8時半過ぎまで、計10時間。気が張っていたせいかそれ程の疲れは感じません。爪は何とか保っていますが少々危ない感じ、しかし、集中して座っていたせいで思わぬところに落とし穴がありました…2日目の最後にわかりましたが殆ど怪我。

1日目の夕食は遅くなったのでファミレスで笹井さんと済ませ、ホテルに帰ってお風呂に入ってバタンキュー…。

何とか無事に1日目は終わりました。

続く

[筆者:小林 徹]