今年も秋が訪れ、恒例のクリスマスコンサートのご案内を差し上げる時期がやってまいりました。
私達の演奏活動の原点であるこのコンサートは「世界で一番歌われている曲“聖夜”はギターで作曲された!」という素敵な事実が出発点です。※これについては毎年パンフレットに「聖夜物語」を書かせて頂いていますのでご来場の方は奇跡の物語をご存じでしょうが、まだの方は是非!
ギター好きの皆さんには言うまでもなく、ギターは人間に一番近い楽器の一つであり、
人の心に寄り添える楽器です。
きっと、ギターだからこそ“聖夜”は永遠の命を得たのだと思います。
そして、私達もギターで音楽の素晴らしさを伝え続けたいのです。
それを実現すべく、このコンサートでは様々な形でギター音楽の素晴らしさを味わっていただけるよう、構成、選曲には毎回、工夫を凝らして来ました。
それでは今年のプログラムに聞きどころを簡単にご紹介します。
オープニングはコントラバスギターの名手、大沼真樹アレンジによる「ジブリメドレー」。皆さん良くご存じのジブリ映画を彩る名曲の数々を多彩な音色で再現します。効果的に配置された各パートのソロも聞きどころです。
二曲目は荒井聡美によるアレンジで人気の高い、映画“戦場のメリークリスマ”から透明感溢れる「メリークリスマス・ミスターローレンス」。
続いてテレビ番組“金曜ロードショウ”のテーマ曲として作曲されたでは文字通り郷愁を掻き立てる「シネマ・ノスタルジア」。
そして、レギュラー編成の締めはスタンダードジャズの名曲「A列車で行こう」です。
ここで編成を変え、今やギターアンサンブル曲の作曲家を代表する竹内淳の書下ろし新作の初演。“Surge”シリーズを継承する名作の素敵な誕生日にしたいと思います。
休憩を挟んで第二部最初は新日本の中核を担う実力者3名の競演によるヴィヴァルディの「調和の霊感Op.3-11」。新日本の原点はバロック音楽ですが、今回の実力派ソリストの演奏は躍動感溢れる“古くて新しいバロック”をお楽しみいただけると思います。
そして今回のメイン。ハンガリー生まれの大作曲家バルトークの傑作「弦楽のためのディベルティメントSz.113」です。この曲は高度な作曲技法を駆使して作られており、室内楽における最高傑作の一つに数えられます。
過去、ブラームス、チャイコフスキー、ドヴォルザーク、エルガーとクラシック音楽の真髄にギターアンサンブルならではの表現を模索してきた私達の“音楽する遊び心”を感じて頂ければ幸いです。
クラシック音楽という広大な海にギターで漕ぎだせば、ギターアンサンブルのレパートリーは無限大となり、新天地に辿り着ければ私たちの伴侶、ギターの魅力がまた一つ増えることになります。それは簡単なことではありませんが、ギターファンの皆様には「バルトークってクール!」と、巨匠をよく知る音楽ファンの方々には「ギターのバルトークもアリ!だな」といって頂ける演奏にしたいと存じます。
今回の会場はギターにぴったりの美しい響きを持つ「杜のホール・はしもと」です。過去、稲垣稔氏、パベル・シュタイドル、ホルヘ・ルイス・サモラといった超一流のソリストと共演を得た私達のホームグラウンドでもあります。
ちなみにリピーターの皆様は良くご存じですが、毎年チケットは完売となりますのでお早目にお申し付けください。
皆様には年末の何かとお忙しい頃と存じますが、ギターの音色に包まれ、夢の一時をお過ごしいただきたいと思います。
演奏者一同、心よりご来場をお待ちしております。
[筆者:小林徹]
チケットのお申し込み・お問合せは、
JAEM・日本音楽教育協会 044(987)1691 まで
公式ホームページはこちら
http://www.jaem-jp.com/concert/2015Christmas/sp.html
携帯からは
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